エントリーフォーム最適化(EFO)~EFOはコンバージョンをあげる特効薬~ 

Filed Under (ユーザビリティ) by 山本孝之 on 17-06-2008

Web環境が整ってくるのと平行して、消費者のインターネット上での行動に変化が見られるようになってきました。
特に購買におけるステップがリアル社会のそれとは顕著に異なってきています。

その購買心理・行動ステップの頭文字をアルファベットで表したのが、「AISAS/AISCEAS」です。

AISAS = ネットでの購買心理・行動のモデル
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索) → Action(購入・申込み) → Share(共有)

リアル社会における消費者の購買心理・行動過程として「AIDMA」という言葉がありますが、そのインターネット版です。
この「AISAS/AISCEAS」の中で、Action(購入・申込み)にあたる部分の最終的な受け皿はエントリーフォームです。

広告を出稿した場合、 このエントリフォームは最終的な受け皿になります。
多額の金額を使って、広告出稿し、お客様をネット店舗内に集客したとしても、エントリーフォームがお客様にとって使いづらく、離脱率が多ければ、広告の効果は半減してしまいます。

つまり、エントリーフォームはネット店舗で、重要な役割を担っているのです。
このコラムでは、「AISAS/AISCEAS」に欠かすことができないエントリーフォームに焦点を絞り、Webコンサルタントという立場から得たエント リーフォーム最適化(EFO)の私の経験の一部を皆様に共有し、最後にエントリーフォームの将来の個人的な考えを述べてみたいと思います。
ネット店舗とリアル店舗での大きな違いは対話の有無

リアル店舗の場合、そこを訪れる人の姿を見て、実際に対話をすることができます。
例えば、リアル店舗で、あなたが買い物に困っていた場合、従業員が声をかけて案内してくれるかもしれません。
また、待たされてムッとすれば、従業員を呼ぶこともできます。

しかし、ネット店舗では直接お客様の姿を見ることはできません。
求めている情報やサービス、商品が見当たらなければ、ネット店舗から立ち去るだけなのです。

つまり、ネット店舗はリアル店舗と比較して、訪問していただいたお客様に瞬時に返事をする顧客対応力が低いのです。
さらに、リアル店舗であれば、このような対話から、「遠慮」や「返報性の原理(他人から何か恩恵を施されたら、何かお返しをしなければならない気持ちになること)が働きやすいのです。

しかし、お客様とネット店舗との対話は、リアル店舗のそれと比較して、遠慮や返報性のような心理変化は期待しづらいと言えるのかもしれません。
そのため、ネット店舗の構築や改善には、よりきめ細かいおもてなしの気持ちが大切になってきます。
エントリーフォームはおもてなしの気持ちが重要

ネット店舗側にとって、とりわけおもてなしの配慮が大切になるのは冒頭でも述べたようにエントリーフォームです。
では、このエントリーフォームはお客様にとって、どのような位置づけなのでしょうか?

そもそも、エントリーフォームにアクセスしたお客様は、基本的にネット店舗の情報、サービス、商品に対して、関心の高いお客様であり、「個人情報を記入してもよい」と信頼感も抱いています。
また、エントリーフォームはいわばゴールの目前にそびえたつ最後のハードルです。

これは、ネット店舗をマウスだけで操作できていたのに対して、エントリーフォームはキーボードで文字を入力しなければなりません。
つまり、明らかに「見る」こととは異なる、インタラクティブな体験をする場なのです。

そのため、お客様にとって、エントリーフォームはネット店舗で、特におもてなしの気持ちで迎えられたいサイトページなのです。
40%以上の離脱率のあるエントリーフォーム最適化(EFO)を行うと効果的

しかし、実際にエントリーフォームに払われている注意は、以上で述べた重要性と比べて驚くほど低い場合が大半であるのが現状です。
この原因はさまざまですが、以下のようなことが考えられます。

  • マーケティング担当者がエントリーフォームの重要性を軽視している。
  • マーケティング担当者とシステム担当者及び客観的な評価を下す担当者(コンサルタントなど)の有機的な連携ができていない。
  • エントリーフォームの重要性は認識しているが、システム変更を余儀なくされるため、エントリーフォーム最適化(EFO)の料金を捻出できない。

これらの理由があるにせよ、以下のことを少し考えていただきたいのです。
業界ごとによっても異なるのですが、弊社の指針では、40%以上の離脱率をもつエントリーフォームは離脱率が高く、最適化の余地があると考えています。

例えば、1億円の広告予算を投入してエントリーフォームに20,000人のお客様を流入させたとします。離脱率が50%であれば、10,000人が 会員登録するので、顧客獲得単価(CPA)は10,000円となります。次に、エントリーフォーム最適化施策を行い、離脱率を35%に減らすことができた ならば、13,000人が会員登録するので、顧客獲得担当(CPA)は7,692円になります。コンバージョン数で言い換えれば、30%上がったことにな ります。

一方、広告予算のほとんどが広告メディアに投じる媒体費で、これを媒体選定や検索連動型広告の入札管理や運用方法の見直しなどで、広告費を10%下 げて同数の会員登録数を得ることができたとしたら、顧客獲得単価(CPA)は9,000円です。逆に、顧客獲得単価(CPA)を7,692円にするために は、24%も下げる必要があるのです。これは現実的に考えて至難の技であることはいうまでもありません。

エントリーフォーム最適化(EFO)でこれほどコンバージョン数が上がり、顧客獲得(CPA)が下がるのかと思われるのかもしれませんが、離脱率が高ければ高いほど、数十パーセント程度改善することは珍しくないのです。

ここまでで、エントリーフォーム最適化(EFO)への投資は、実に費用対効果の高い施策ということがお分かりになっていただけたでしょうか。

では、次からエントリーフォーム最適化(EFO)の具体例に入っていきたいと思います。
エントリーフォーム最適化に重要な認識は「お客様は間違える」

例えば、友人に、あなたは電話番号教えてほしいと言われ、メモとペンを渡されたら、どういう風に書くでしょうか。

A君は「090-2378-****」
Bさんは「090(2378)****」
Cちゃんは「090 2378 ****」

と書くかもしれません。

要するに、人によってさまざまな書式で記入するということです。
そのため、エントリーフォームでは一般的に使われるすべての書式を受け入れるようにする必要があります。

このような例は枚挙にいとまがありません。
そのため、前提としてまず認識しなければいけないのは、お客様が間違えずにエントリーフォームを入力することなど期待してはならず、お客様は常に間違えるもので、その間違いをどうすれば減らすことができるのかを考えることが大切なのです。
エントリーフォーム最適化で確認してみてもらいたい14の項目

今まで、私は蓄積した経験則(ヒューリスティック評価)項目を100程度用意し、企業様のエントリーフォームと照らし合わせエントリーフォーム最適化を行ってきました。
その中のいくつかの項目を以下に列挙してみたいと思います。

  • 必須項目か任意項目のどちらかを目立たせること。
  • 一目でわかるエラーメッセージを提示すること。
  • 問題が起きている箇所をはっきりと強調し、説明するために、色やアイコンやテキストを使うこと。
  • 文章は手短にわかりやすく伝えること。
  • 長いエントリーフォームの場合、情報を保存して、中断した人を助けること。
  • 一般的に使われる書式はすべて受け入れること。
  • 郵便番号を入力すると自動的に住所を補完すること。
  • ブラウザの「戻る」ボタンを仕様不可能にしないこと。
  • テキストボックス上にエラーを表示させること。
  • エラー表示がテキストリンクになっており、間違いのテキストボックスにすぐとべること。
  • FAQのコンテンツが充実させ、迅速かつ簡単にアクセスできるようにすること。

また、「個人情報登録時にサイトのセキュリティを確認する」が6割以上もいるのです。
(引用元:日経BPの一般家庭意識調査

そのため、以下のようなセキュリティ上の注意点は欠かせません。

  • SSLによる暗号化がなされていること。
  • ベリサインなどのデジタル証明書が掲載されていること。
  • 個人情報保護法に遵守していることをうたっていること。

などが上げられます。

もちろん、業界によって、エントリーフォームはさまざまでありますし、UI(ユーザーインターフェイス)デザインに絶対的な答えなどありません。
エントリーフォームは、金融、人材業界のような長いものに対して、化粧品、食品業界のような比較的短いものもあります。

業界によって、適宜エントリーフォームを最適化する必要性があるのです。
エントリーフォームがリアル店舗に近づく

最後にエントリーフォームが、今後どのように進化していくかを考察してきたいと思います。
そもそも、ネットは音声、映像、文字、写真などを使用することが可能です。

このような技法を駆使して、エントリーフォームはお客様がより少ないストレスで、入力できるように進化しています。
そんな中でも最近注目を浴びているエントリーフォームにPIP(Person in Presentation)という技法があります。

例えば、以下の写真で記した「オリックスVIPローン」や「FXonline」などのエントリーフォームです。

  • オリックスVIPローン
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  • FXonline
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これらのPIPでは、会員登録の場合、ナビゲーターのモデルが画面に現れて、エントリーフォームの入力方法を細かく指示してくれます。
また、お客様が入力を間違った場合、HTMLエントリーフォームのように、最後にまとめてチェックを行うのではなく、その都度フォローアップするスタイルをとっていて、ストレスや不安感もおのずと軽減されるのです。

さらに、人が身ぶり手ぶりで語りかけるように説明、解説することで、サイトに人の温かみをもたらし、わかりやすさや楽しさでお客様は思わずひきこまれるようになるようです。
このような流れは、リアル店舗とまったく同じです。

つまり、ネット店舗と言えども、お客様に商品やサービスを買ってもらうことに違いはありません。
お客様のお買い物満足度を上げるために、従業員を教育しおもてなしの質を上げるでしょう。